研究のまとめ

 ここでは、児童の変容を知るために行ったアンケート結果を紹介し、児童の様子を踏まえ
ながら研究の成果と課題について述べてみたい。

1 アンケート結果より

 昨年度5月と本年度7月にアンケートによる調査を行い、児童の英語活動に対する意識を
調べた。結果は、下記のとおりてある。

  @ 英語活動は楽しいですか。

  平成19年度                平成20年度              

  

  ○ 大部分の児童は、英語活動を楽しいと思っている。全体的に、昨年度よりも
   本年度の方が楽しいと思っている割合が高い。
    児童は、ゲームやコミュニケーションなどの楽しさを理由に挙げていた。




   A 英語を話せるようになりたいですか。

平成20年度

  

  ○ 大部分の児童は、英語を話せるようになりたいと思っている。



   B 先生や友だちと英語を話したり聞いたりすることは好きですか。

平成20年度




2 成果と課題( ○ 成果  ● 課題 )

(1)英語で対話する喜びや楽しさを感じさせる場の設定と評価の工夫について

○ 児童の様子やアンケート@の結果から、大部分の児童が喜んで英語活動に参加し、楽しく活動していることがわかる。発達段階を考慮した題材や活動の工夫をすることで、児童が自然に英語を使う場面が増え、自分から友達やHRT、ALTとコミュニケーションをする姿が見られるようになり、表情も豊かになってきた。そして、全校集会や他教科の学習でも、相手を意識した発表をしたり真剣に発表を聞いたりする児童が増えてきた。また、授業の中で、児童のいいところを見つけ、全体に紹介するように努めてきたため、そのことで児童の学習への喜びや意欲が高まってきた。

● 研究当初、まずは児童が楽しむこと、HRT中心の授業を確立することに重点を置いたため、児童へのコミュニケーションに対する意識付けが十分でなかった。中には、コミュニケーション活動への意欲が低い児童も見られる。今後、コミュニケーションの場の工夫とともに、授業でのめあての確認や活動のふり返りなどを通して、コミュニケーションの良さに目を向けさせていきたい。また、評価の内容、方法についてはまだ試行錯誤の段階であり、より充実した授業につながる評価ができるように研究を進めていきたい。

 

(2)英語の音声やリズムに慣れ親しませる活動の工夫について

○ ABCタイムを中心として、歌やチャンツ、ゲームなどで児童に英語を慣れ親しませてきた。活動中は特にALTの発音を聞く場面を多く取り入れるように配慮した。そのため、児童は発音することに対しての不安感も少なくなり、自信をもって活動する姿が見られるようになった。アンケートABからも、大部分の児童は英語で会話することが好きで、もっと英語で話せるようになりたいという気持ちを持ってきていることがわかる。また、ミニABCタイムは、ABCタイムを充実したものにするのに大きな効果を発揮している。

● 全員で話すときは大きな声で言うことができるが、一人の場合だと自信が持てず声が小さくなってしまう児童がいる。一人一人の児童の様子をしっかり把握し、その児童に応じた支援をしていきたい。また、HRTはクラスルームイングリッシュを使うように努めているが、スムーズに出てこないときがあるので、校内研修などの時間を使って練習をしていきたい。

(3)世界の言葉や文化にふれる場の設定について

○ ABCタイムでのALTの話やふれあい交流会、全校集会や行事での発表、環境設営などを通して、児童が世界の言葉や文化にふれるよう機会を設定してきた。児童は、ゲストの話に目を輝かせて聞き入り、外国の文化について興味を持つことができた。児童のニーズに応じた情報を提供することは、興味・関心を高め、主体的な学習を進める上で大切なことである。

● 本校では、いろいろな外国の人との交流の場が少ない。児童の英語を話したいという意欲や世界への興味・関心を高める意味でも、もっと外国の人との交流場面を増やしていきたい。

 

(4)その他 

☆ 中学校の英語担当者に本校の授業研究会に参加してもらい、指導方法や指導内容についての貴重な意見や感想を聞くことができた。今後、もっと小学校と中学校の交流の機会を増やして連携を深め、更には町内の小学校との連携も進めていきたい。

☆ 本校の研究内容との関連を考えて、英語ノートを活用してきた。CDや絵カード、児童の興味を引くゲームの紹介もあり、指導をする上で有用なところがあった。今後、5・6年と他学年との指導内容の系統を見直し、英語ノートのより効果的な使い方を検討していきたい。

☆ 校内研修では、理論研修と実技研修を行ってきた。校内研修の回を重ねるに従い、職員は英語活動への抵抗感が少なくなり、「やれば、できるんだ」という心のゆとりが出てきた。これからも、校内研修でのALTの活用、授業研究会の工夫などを加えながら、更に指導力を高めていきたい。




 戻る  ホーム